Conversational Marketingの活用例

最終アップデート: 
January 26, 2023

ソーシャルメディアの世界においては発信するだけではなくいかにして会話をアクティブにするか試行錯誤することが求められます。

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Conversational Marketingとは

最初の本格的なソーシャルメディアと言われるSixDegrees.comが誕生したのが1997年、その後2004年にFacebook、2010年にInstagramがメジャーになりました。10年以上経った2021年現在、ソーシャルメディアマーケティングを実施していない企業の方がマイノリティです。ソーシャルメディアの一番の特徴はそのインタラクティビティ、対話性にあります。それまでの情報発信が一方通行だったのに対して、ソーシャルメディアを通じたコミュニケーションではコンテンツに相互コミュニケーションが発生し、そこから更にコンテンツが変化し広がっていきます。このソーシャルメディアの特性をフル活用するマーケティング手法こそConversational Marketingです。Conversational Marketingとは、カスタマーを中心に考え対話を重視したマーケティング手法であり、カスタマーそれぞれにパーソナライズされたアプローチのことを指します。以下にいくつか例をご紹介しましょう。


導入事例

eBay

引用: Caroline


Googleが発表したレポートによると、グローバルで約27%のオンラインユーザーがボイスサーチ(音声検索機能)を使用しているそうです。eBayではGoogleアシスタントアプリの音声検索機能をユーザーに提供しており、膨大なオンライン在庫を簡単に確認できるようにしています。ユーザーが「オッケーGoogle、eBayにXXX聞いて」と言って検索を開始すると、アプリが適宜それに対して追加質問を重ね、ユーザーが求めている商品まで絞り込みます。このアプリは、Facebook Messenger ShopBotに続いて同社が導入したツールで、AIと機械学習を利用して、顧客の意図をより深く理解した上でショッピング体験をパーソナライズしています。


Domino’s PIZZA

引用: godot


ドミノピザはユーザーがピザの絵文字をツイートまたはテキストで送信するとピザが送られてくるというサービス展開しました。このコンセプトをさらに進化させた”Domino's AnyWare”では、Google Home、Alexa、Slack、Facebook Messenger、Twitter、スマートテレビなど、あらゆる種類のデバイス、ツールを通じてお気に入りメニューを注文できるようにしました。これまでの注文方法に固執することなく、ユーザー視点でより便利で親しみやすい方法を提供することにより、ブランドエンゲージメントが高まることも期待できます。


Sephora

引用: Thrive Agency


化粧品小売兼ブランドのSephoraはマーケティング強化の一環としてFacebook Messenger BotにSephora Virtual Artist機能を導入しました。Sephora Virtual Artistは、UGCの広まりがビジネスの成功に直結するソーシャルメディア時代のメカニズムを最大限に活用した施策であると同時に、ユーザー視点で利便性を高めたサービスです。同サービスでは、チャットbotがユーザーを誘導し写真をアップロードすることにより、さまざまな色の口紅やアイシャドウ、つけまつげを使ってバーチャルでメイクを試して楽しむことが出来ます。このように製品を試すと、botがチャット上に購入リンクを送信しコンバージョンにつなげています。実店舗に行かずとも様々な種類のメイクアップを楽しみ、購入することが出来るという点で非常に利便性が高く、一方で、アプリの中で作られたメイクアップ済みの写真を友人とシェアしたりご自身のSNSにアップして楽しむことが出来るのも魅力的なポイントです。


Conversational Marketing戦略

チャネル選択

まずは、自社製品・サービスにはどのような目的でどのようなチャネルが最適か判断すべく、ユーザーニーズを正しく把握していきましょう。FAQ、製品やサービス関連情報、購入プッシュメッセージ、デモコンテンツなどその選択肢は様々ですが、顧客リード獲得に繋がるものを原則優先的に活用し、購入や契約に至るまでのユーザージャーニーに応じて調整していきましょう。


パーソナライゼーションと最適化

適切なコンテンツを適切なチャネルで、適切なタイミングで表示するためには、ユーザージャーニーの各フェーズに応じて会話をパーソナライズすることが重要です。店頭での丁寧な会話やカスタマイズされたDMを通じて顧客と関係性を築くメカニズムと類似していますが、自分自身にフォーカスを当てたコミュニケーションに対してのユーザー満足度は非常に高くなる傾向にあります。Conversational Marketing戦略を最大限に生かすためには、この会話を継続的に最適化する必要があります。チャットボットなどのツールを立ち上げた後のテストや最適化が重要となります。会話のデータ、ユーザージャーニー、エンゲージメントスコアをトラッキングし、その結果に基づいて会話の流れを適宜作り替えて運用していきましょう。


フィードバック&改善

Conversational Marketing戦略をさらに発展させるためには、カスタマーやポテンシャルカスタマーからのフィードバックを得ることが重要です。戦略のウィークポイントや改善点を明らかにし、よりアクティブなインタラクションを実現することで、顧客体験のさらなる向上、ブランドエンゲージメント向上に繋げていきましょう。


まとめ

こちらのブログでもご紹介の通り、ソーシャルメディアは発信の場のみならず会話の場であり、カスタマーサービスの場となっています。ソーシャルメディアの世界においては発信するだけではなく、いかにして会話をアクティブにするか試行錯誤することが求められます。カスタマーのリアルな声を継続して獲得すべく、ターゲットが前のめりに会話したくなる仕掛けやコンテンツ制作・発信を検討していきましょう。

Iku Hirosaki
Iku Hirosaki
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廣崎 依久
取締役 兼 COO | Board Member and Chief Operating Officer

大学在学中に株式会社マルケト(現アドビ株式会社)にてマーケティングインターン終了後、渡米。大学院にてマーケティングを学んだ後シリコンバレーに移りEd Techのスタートアップ企業、Couseraにてフィールドマーケティング及びエンタープライズマーケティングオペレーションに従事。その後シンガポールに渡りDSPベンダーのMediaMathにてAPAC地域のフィールドマーケティング及びマーケティングオペレーションを担当。01GROWTHでは教育サービスの開発に加え、国内外のコンサルティング業務を行う。著書に『マーケティングオペレーション(MOps)の教科書 専門チームでマーケターの生産性を上げる米国発の新常識』(MarkeZine BOOKS)がある。