マーケティングキャンペーン実施までのプロセス

最終アップデート: 
August 6, 2024

本当に優れたマーケティングキャンペーンにはアイデアだけでなく、必要な要素が網羅されています。今回のブログでは、マーケティングキャンペーンにをスムーズに実施するためのプロセス構築や、必要な要素についてご紹介します。

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コンテンツチームが優れたウェビナーのアイデアを思いついたとしても、それが適切に実行されなければ成果にはつながりません。本当に優れたマーケティングキャンペーンの計画では、アイデアだけでなく、キャンペーンの実施に必要な要素が最初から最後まで網羅されています。

それでは、キャンペーンプランニングを効率的に進めるためにはどうすればよいのでしょうか。この記事では、マーケティングキャンペーンをスムーズに進めるために組織内で作るマーケティングキャンペーンマネジメントプロセスについて、なぜ定義して運用することが重要なのか、そしてどのようにプロセスを構築すればよいのかを説明します。

マーケティングキャンペーンマネジメントプロセスとは

マーケティングチームが大きくなれば、フィールドマーケティングやデマンドジェネレーション担当などの施策を考える人と、MOpsのようにプログラムを実装する人が別々になってきます。そうなると、一定の基準をもとに役割分担をしながら施策を進めることになります。キャンペーンマネジメントプロセスとは、業界のベストプラクティスと明確に定義されたステージに則った、効率的なキャンペーン実施にあたっての体系的な手順を表します。

キャンペーンの実施自体は、製品、地域、チームサイズ、組織構造の複雑さや規模を考慮して、組織によって大きく異なる場合がありますが、全般的なプロセスは変わりません。

多くのマーケティングチームの目標は、高い成果を上げ、かつ効率化が可能なキャンペーンのフローを整えることです。デマンドジェネレーションのチームは、ベストプラクティスに従いながら、プロジェクト管理の考え方を適用し、キャンペーンマネジメントプロセス全体を通してステータスを適切に把握しながら、明確なコミュニケーションガイドラインとSLAを持つことが望ましいとされています。

マーケティングキャンペーンマネジメントプロセスのテンプレートが必要な理由

デマンドジェネレーションを確実に成功させるためには、マーケティングチームは、明確に定義されたマネジメントプロセスを採用する必要があります。実施にあたっては反復可能で測定可能であることを重視し、標準化されたキャンペーンフローを構築することで、プロセス全体をカスタマイズ可能なまま容易に拡張することができます。

高度なマーケティング組織におけるキャンペーン制作プロセスとは

成功するキャンペーン制作プロセスは、4つのステージで構成されています: 受け入れ、構築、クオリティ保証(QA)、ローンチです。

ステップ1 - マーケティングキャンペーンの受け入れ

デマンドジェネレーションチームなど、他チームから依頼されたキャンペーンの受け入れはマネジメントプロセスの最初のステップであり、そして最も見落とされがちな段階です。スムーズに進むマネジメントプロセスでは、受け入れフェーズで実行に必要な要素がすべて揃っています。

まずはキャンペーンのMVP(Minimum Valuable Product)要件を明確にすることが重要です。MVP要件とは、キャンペーンリクエストを作るうえで必要な詳細情報のことです。キャンペーンの種類によって異なりますが、一般的な例は以下のようなものです。

  • キャンペーン名
  • ターゲットオーディエンス
  • メールのコピー(最終確認と承認)
  • メールの希望配信日時

さらに、予算やKPIなども追加することで後々のROIの計測やパフォーマンス計測に役立ちます。

キャンペーンの受け入れプロセスを定義しておくことで、プロセスが進んだ後のの不要な修正をなくし、実装までの時間を短縮し、SLAを満たすことができます。

ステップ2 - マーケティングキャンペーンの構築

マーケティングオペレーションの本業はここからです。RevOpsのチームメンバーは、徹底した受け入れプロセスを設けることで、作業の妨げになるものを排除し、構築の成功に向けて準備を整えることができます。構築プロセスでは、自身の作業をダブルチェックできる時間を確保することが重要です。

ステップ3 - マーケティングキャンペーンのクオリティ保証(QA)

ウェビナーの招待メールを送った後、開催日の日付が間違っていることに気づいたり、見込み客のニュースレターから既存顧客を除外するのを忘れたりしたことはありませんか?マーケティングチームがキャンペーン制作の目標を達成し、ミスを最小限に抑えるため、正式なQAプロセスが不可欠です。

第三者の目があると素晴らしいですが、いつでもそうできるとは限りません。小規模なチームであっても、作業のダブルチェックはとても重要です。そこで、社内でキャンペーンQAチェックリストを作成し、ローンチ前にすべてが問題ないことを確認しましょう。

マーケティングキャンペーン(Eメール、ランディングページ、インタラクションフローなど)がQAプロセスを通過し、すべてが問題ないことを確認したら、キャンペーンを実行する準備が整いました。

ステップ4 - マーケティングキャンペーンの開始

タスクオーナーがキャンペーンをスケジュールまたは有効化する前に、対象のオーディエンスと日時を最後にチェックします。

最後にパフォーマンスレポートとキャンペーン振り返りのためのタスクが作成されていることを確認し、完了です。レポーティングはテンプレート化され、キャンペーンの目的のコンバージョンを追跡できるように設定する必要があります。最終的なローンチとレポーティングが整えば、一連のマネジメントプロセスは完了です。

測定指標(クリック数、開封数など)は約7日後までにはある程度安定してきますが、メールであれば配信から14日後を目途に測定指標を確定させます。最終的なレポートを作成するにあたっては、キャンペーンパフォーマンス分析スケジュールをチームに共有しましょう。

構造化されたアプローチに従い、各ステージを定義することで、キャンペーン構築の効率と品質が向上します。一元化された構造により、マーケティングキャンペーンをスケールし、チームの貴重な時間をセーブします。

マーケティングキャンペーンのプロセスをどのように構成し、マーケティングチームをどのようにまとめるべきか

マーケティングキャンペーンマネジメントプロセスを誰もが効率的に運用できるようにするため、以下を検討しましょう。

プロジェクト管理ツールの活用

AsanaやMonday.comなどのプロジェクト管理ツールは、キャンペーンマネジメントプロセスを構造化するために適切に活用することで、大変重要です。テンプレート化されたサブタスク、自動化されたワークフロー、タスクステータス、インテークフォームなどを使いましょう。

マーケティングキャンペーンのSLAの定義

各ステップにおいて、例えば、「構築に必要なすべての要件が共有された後、[2営業日以内]に構築し、レビュー用のリンクを提供する」といったSLAを提示するようにしましょう。キャンペーンがリクエストされた時点で、チームメンバーが計画を把握しておけるようにするために、作業にかかる時間の基準となるルールが必要です。サービスレベルアグリーメント(SLA)を確立することで、期待値と業務量をより適切に管理し、キャンペーンのアウトプットを可能な限り最高水準に保つことができます。

マーケティングキャンペーンマネジメントプロセスを支えるために必要なチームとは

プロジェクト管理者とキャンペーン管理者は、チームの連携と効率的な運営を維持する上で重要な役割を果たします。また、キャンペーンマネジメントプロセスをさらに高度なレベルに引き上げるためには、リーダーシップからのサポートも必要です。

良いプロセスを導入しても、運用が難しくなることも想定されます。プロセスを変更することは運用面の負担につながり、その結果として当面はキャンペーンマネジメントのスピードが落ちるかもしれません。しかし、長期的により効率的で、拡張性のあるものにするためには避けて通れないこともあるでしょう。とはいえ、マーケティング組織全体との連携と変更の透明性は不可欠です。リーダーシップは、このような変更によるサポートを行い、ワークフローがどのような影響を受けるかを他部門に伝えましょう。

キャンペーンマネジメントプロセスを導入すべきか否か

導入すべきか否かは次の2つの質問への回答次第かと思います。それは「マーケティングチームが2人以上の従業員を抱えているか」と「キャンペーンの実施数が少なく、プロセスの強化がかえって過度の負担になるか」です。小規模でデジタルマーケティングをあまり行っていないのであれば、わざわざこのプロセスを作り、展開する必要はありません。

組織化されたキャンペーンマネジメントプロセスの恩恵を受ける企業は、ある程度規模を拡大しているマーケティングチームです。例えば、フィールドマーケティングチームを各地域に配置することは、グローバル展開のための一般的なGo-to-Marketの動きです。多くの新規マーケターを迅速に立ち上げる必要があるのであれば、キャンペーンマネジメントプロセスを使った方が良いでしょう。ここでテンプレート化されたアプローチを持つことのメリットの1つは、キャンペーンの質の基準を設定できることです。

キャンペーンマネジメントのプロセスを改善することで、チームの生産性は上がります。成果を長続きさせるためには、改善やキャンペーン制作の効率化を絶やさず、継続しましょう。

Iku Hirosaki
Iku Hirosaki
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廣崎 依久
取締役 兼 COO | Board Member and Chief Operating Officer

大学在学中に株式会社マルケト(現アドビ株式会社)にてマーケティングインターン終了後、渡米。大学院にてマーケティングを学んだ後シリコンバレーに移りEd Techのスタートアップ企業、Couseraにてフィールドマーケティング及びエンタープライズマーケティングオペレーションに従事。その後シンガポールに渡りDSPベンダーのMediaMathにてAPAC地域のフィールドマーケティング及びマーケティングオペレーションを担当。01GROWTHでは教育サービスの開発に加え、国内外のコンサルティング業務を行う。著書に『マーケティングオペレーション(MOps)の教科書 専門チームでマーケターの生産性を上げる米国発の新常識』(MarkeZine BOOKS)がある。