コンテンツマーケティングの3つのR - 1つのコンテンツを10通りにリサイクルする方法

June 8, 2022

コンテンツマーケティングの鉄則、3つのR(Recycle/Rewrite/Retire)をご存知ですか?

  • Recycle
    一つのコンテンツ、例えばブログ記事を書いたらインフォグラフィックやソーシャルポスト、チートシートなど様々な形態のコンテンツにリサイクルすること。これにより無限のコンテンツライティングから解放され、一つのお題でエンゲージメントを図るコンテンツを複数作成しそのライフスパンとリーチを拡大することができます。

  • Rewrite
    一度書いたコンテンツの内容が時代遅れになってしまったり、情報が最新で無くなってしまった時に内容を書き直して更新すること。そもそもマーケティングコンテンツを作成するときはすぐに時効が来てしまうようなトピックは避けますが、それでも永遠に使えるコンテンツを作るのは容易ではありません。全てのコンテンツをリライトする必要はありませんが、パフォーマンスの良かったものや、話題のトピックなどを重点的にカバーすることが大切です。

  • Retire
    パフォーマンスの良くないコンテンツや時代遅れになってしまったものを潮時を見極めてリタイアさせるということ。作ったコンテンツ全てがトップパフォーマーなら理想的ですが、現実的ではありません。会社の評判保つため、そしてオーディエンスのためにも引退させるべきコンテンツとその時期を逃さないようにすることが重要です。


この3つの鉄則を頭に入れてコンテンツマーケティング施策を打つわけですが、コンテンツマーケターの永遠の悩みはコンテンツ作りです。コンテンツトピックを考え、継続的にコンテンツを作成するのは容易ではありません。コンテンツを書くのには時間がかかりますし長くやっていればネタ切れにも陥り、自然と質の低い内容のコンテンツを量産する傾向になってしまいます。そこで役に立つのが前述のコンテンツリサイクルです。しかし、コンテンツリサイクルをするにはリサーチを十分行い中身が詰まったコンテンツを作ることが重要です。量より質を重視することで1つのコンテンツを10個のコンテンツにリサイクルすることができるのです。コンテンツリサイクルは一定のキーワード・トピックに対して様々なコンテンツを作ることで、SEO対策にも効果を発揮します。ではリサイクル方法とそのバリエーションをご紹介しましょう。今回は1本のブログ記事から以下のコンテンツにリサイクルします。

  1. ブログ記事をLinkedInやNote、Mediumに転載する

まずは一番シンプルに同じブログ記事をブログ以外の場所で共有しましょう。会社のLinkedIn、NoteやMediumのアカウントがある場合は転載してリーチを伸ばしましょう。


  1. ニュースレターにする

これも簡単でシンプルですがブログ記事をニュースレター化して既存データベースのオーディエンスとのエンゲージメントの材料にしましょう。


  1. ソーシャルポストにする

ブログ記事のデータソースやクオートをソーシャルメディアポストにして共有しましょう。これに関してはHubspotのインスタグラムアカウント (@hubspot )が良い見本になるとお思います。ブログ記事はもちろん、様々なコンテンツの断片を目を惹くビジュアルでソーシャルポストにリサイクルしています。是非チェックしてみてください。


  1. インフォグラフィックにする

データポイントや統計などを交えたブログ記事はインフォグラフィックに形態を変えることができます。デザイン部門にお願いできれば一番ですが、難しい場合はVengageなどの無料インフォグラフィック作成ツールもあります。目を惹くビジュアルでソーシャルメディアなどにシェアして元のブログ記事のアクセス数を増やすこともできるでしょう。


  1. ウェビナーにする

ブログ記事をスクリプト化してウェビナーにしましょう。ウェビナーにするためにデータポイントの追加や、プレゼンテーションの作成など多少の編集作業が生じますが、ウェビナーは新規リードを獲得したり検討フェーズのプロスペクトとエンゲージできる重要なタッチポイントです。少し時間をかけても良い投資になるでしょう。


  1. ウェビナーで使用したプレゼンテーションをスライドシェアに載せる

SlideShareは資料をスライドショー形式で無料公開できるプラットフォームで、企業や個人はもちろん、政府機関なども使っているサービスです。ウェビナーで使用した資料を参加者に共有するのはもちろんですが、SlideShareで一般公開することで更にオーディエンスを広げましょう。


  1. ビデオにする

ウェビナーを開催したら同じ要領でビデオコンテンツにするのも良いでしょう。昔に比べてビデオコンテンツの作成コストは大きく下がっています。業界にもよりますがビデオコンテンツはより良いエンゲージメントを実現できることも多いので検討する価値があると思います。

  1. Podcastにする

ビデオ化する際に同時にオーディオのみのファイルを作ってpodcastにするのも良いでしょう。米国などではpodcastのチャンネルが乱立し競争が激しいですが、日本はまだまだ参入の余地があります。オーディオコンテンツが急成長を遂げている今、会社のPodcastを登録して知見を共有するのも良いかもしれません。


  1. 複数のブログ記事を繋げてebookにする

同じテーマのブログ記事を複数本繋げてebookにするのも一つの手です。もちろん、多少編集作業はかかりますが、過去のブログ記事をテーマ別に整理し足りない点だけ追加して新しい長編コンテンツを作ることができます。またその逆も然りで既存のebookを複数のブログ記事に変えることもできます。それぞれのブログ記事の最後で、「詳細はXX ebookで」とダウンロードを訴求することもできるでしょう。


  1. チートシートにする

ebookを作る過程でチートシートも一緒に作ると良いでしょう。要点だけをまとめたものを1ページのPDFにまとめることでライトなコンテンツにしてダウンロード訴求のきっかけにもできます。



コンテンツマーケティングは時間と労力のかかる施策ですから既存コンテンツを最大限活用したいところですよね。リサイクルしたコンテンツは一気に出すのではなく他のコンテンツと混ぜながら時間をずらしバランスよく共有することで、オーディエンスに飽きられずにエンゲージメントを高めることができます。コンテンツリサイクルを通してコンテンツのライフスパンとリーチを拡大することができます。是非実践してみてはいかがでしょうか。

Iku Hirosaki
Iku Hirosaki
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廣崎 依久
取締役 兼 COO | Board Member and Chief Operating Officer

株式会社マルケト(現アドビ株式会社)にてインターン終了後、渡米。シリコンバレーのEd Tech企業、Courseraにてフィールドマーケティング及びエンタープライズマーケティングオペレーションに従事。その後シンガポールに渡りDSPベンダーのMediaMathにてAPAC地域のフィールドマーケティング及びマーケティングオペレーションを担当。01GROWTHでは教育サービスの開発に加え、国内外のコンサルティング業務を行う。著書に「マーケティングオペレーション(MOps)の教科書 専門チームでマーケターの生産性を上げる米国発の新常識」(MarkeZine BOOKS)と、レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 部門間のデータ連携を図り収益を最大化する米国発の新常識(MarkeZine BOOKS)がある。

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