ユーモアたっぷり!海外BtoBマーケティング事例

最終アップデート: 
July 19, 2023

最近BtoBマーケティングにユーモアを取り入れ、愛されるブランド作りをする企業が増えてきました。夏休みシーズンの今回は気分転換に海外のBtoBマーケティングのおもしろ事例をご紹介します。

参考書籍

「レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 部門間のデータ連携を図り収益を最大化する米国発の新常識」のご購入はこちら

MOps101

「マーケティングオペレーション(MOps)の教科書 専門チームでマーケターの生産性を上げる米国発の新常識」のご購入はこちら

BtoBマーケティングにユーモアを取り入れるか否かは意見の分かれるところです。ブランドイメージを壊してまう恐れを危惧して避ける企業もあれば、海外のSaaSやスタートアップ企業の一部のようにブランドボイスにユーモアを積極的に取り入れているところもあります。以前はソートリーダーシップを確立させて威厳のあるマーケティングアプローチをする企業が多かったものの、最近はユーモアや親近感を全面に出してみんなから愛されるブランド作りをしている企業も増えてきたと思います。SlackやZendesk、Mailchimpなどは特に有名ですが、おもしろいコンテンツを通して社風やカルチャーをアピールし、ブランドに対して親近感を高めたり信頼を構築してファンになってもらうという狙いもあるようです。最近は日本でも広告に芸人を起用してエンドユーザー層にアピールするBtoB企業も増えてきました。デジタルマーケティングの世界では特に専門用語や機械的な文章が続くことも多いですから、夏休みシーズンの今回は気分転換に海外のBtoBマーケティングのおもしろコンテンツをいくつかご紹介したいと思います。

Monday.comは自動化を活用したプロジェクト管理ツールでチームの生産性向上を実現するプラットフォームで、日本市場にも精力的に取り組んでいます。Monday.comはマーケターの中でも話題になるような面白いコンテンツがいくつかあるのですが、個人的なお気に入りは”We built a cookie machine to motivate people. It didn’t work” というブログ記事。コロナ禍で従業員のほとんどが在宅勤務となりエンゲージメントが低下していたため、Monday.com上でタスクを完了したらクッキーが落ちてくるシステムを作り、従業員のモチベーションをあげよう、という内容です。冗談半分なのに実際にクッキーマシーンを作りMonday.com上でインテグレーションまでしてしまうところがさすがです。さらに、プロトタイプのクッキーマシーンから進化させて実際に商品化して販売もしています。笑いをとるだけではなく間接的にMonday.comの強みを宣伝するのも忘れていません。

また、ニューヨーク市内の駅や電車内では、ニューヨーク市のプロジェクト管理をするというテーマの広告を展開し、こちらもクスッと笑ってしまう内容で話題になりました。もちろん真面目なコンテンツもたくさん出しているのですが、このような心を掴むコンテンツで認知度をぐんとあげたり、エンゲージメントを高めてファン層を獲得しています。

  • Zendesk
    Zendeskは日本でもおなじみのカスタマーサービスプラットフォームです。去年のクリスマスシーズンのコマーシャルキャンペーンでは、人にもらって困ったギフトから、その裏にいるカスタマーサービス担当に焦点を当てました。誰もが共感できてユーモアのある内容が話題になり、BtoB企業の広告にもかかわらずYoutubeで今までに353万回再生されました。実際にカスタマーサービスにコンタクトする消費者に焦点を当てることでプライベートと仕事、両方の領域でうまくアピールした一例です。

  • MailChimp
    メール配信ツールのMailChimpは、企業名を間違えられてしまうという悩みを反転させて、似たようなおもしろい名前のフェイク企業を装った、”Did you mean MailChimp?” キャンペーンを行いました。これは数年前のものですが、実際に私もMailShrimpのメールを受信し、すぐに同僚にシェアしたのを覚えています。当時はビデオやメール、オーディオ(spotifyで各テーマの曲を配信)などマルチチャネルで大規模なキャンペーンを展開しました。ペインポイントを逆手に取って、笑いを誘うマーケティングキャンペーンに変えたのはなんとも見事だと思います。


いかがでしたか?もちろん業界・商材・企業規模などによって向き不向きもありますが、個人的にはユーモアのあるBtoBマーケティングがもう少し増えたらおもしろいなと思います。最初からここまで凝ったコンテンツに投資するのは難しいかもしれませんが、ソーシャルメディアのトーンを変えてみるなど、ライトなところで試してみるのもいいかもしれません。ユーモアをうまく取り入れているBtoBマーケティングの例は拡散されやすく、クチコミの広がり方も違います。是非、実験的に取り入れてみてはいかがでしょうか?

Iku Hirosaki
Iku Hirosaki
  |  
廣崎 依久
取締役 兼 COO | Board Member and Chief Operating Officer

大学在学中に株式会社マルケト(現アドビ株式会社)にてマーケティングインターン終了後、渡米。大学院にてマーケティングを学んだ後シリコンバレーに移りEd Techのスタートアップ企業、Couseraにてフィールドマーケティング及びエンタープライズマーケティングオペレーションに従事。その後シンガポールに渡りDSPベンダーのMediaMathにてAPAC地域のフィールドマーケティング及びマーケティングオペレーションを担当。01GROWTHでは教育サービスの開発に加え、国内外のコンサルティング業務を行う。著書に『マーケティングオペレーション(MOps)の教科書 専門チームでマーケターの生産性を上げる米国発の新常識』(MarkeZine BOOKS)がある。