マーケティングと営業の足並みが揃っていないサイン

November 24, 2022

マーケティングと営業の足並みが揃っていないサイン

企業が成長を遂げ業界のリーダーとなるためには、営業とマーケティングが足並みを揃えてビジネスが回っていることが重要です。しかしながらマーケティングと営業の足並みを揃えることは難しく、まずはそこに気づくことが必要です。マーケティングと営業の足並みが揃っていないことを示す3つのサインをみていきましょう。

1. マーケティングチームがMQL数のみに着目している

マーケティングチームは、営業とマーケティングの最適な連携を意識するが故に適切ではないKPIを重用してしまうことがあります。MQL(マーケティング・クオリファイド・リード)の獲得件数ばかり追ってしまうことがその代表例です。

MQLとは、マーケティング活動によってブランドに興味を示したリード、または他のリードよりも顧客になる可能性が高いリードのことを指します。具体的には、連絡先情報を入力したフォームの送信、プログラムへの参加、eコマース商品のショッピングカート追加、資料ダウンロード、ウェブサイトへアクセスなどのアクションを通じて、自ら意図的にブランドに関与したリードのことを指します。

MQLはマーケティングチームのパフォーマンスを証明する際によく使用され重要視される一方で、その評価はMQLの定義が組織に適切であるか否かによります。

https://blog.hubspot.com/marketing/sales-and-marketing-alignment-tips

MQLの獲得件数が多くても、MQLからSQL、もしくは商談までのコンバージョン率がともなっていない場合、顧客になる可能性の低いリードを量産しているにも関わらず一定の評価を受け、満足してしまうリスクがあるのです。

このような場合は、MQLの定義を見直したり、マーケティングチームに成約ベースの収益目標を設定し、マーケティング担当者にボトムラインを念頭においてもらうことが有効です。

2. 営業チームがセールスコンテンツ作成のイニシアチブを持っている

ケーススタディ、プレゼンテーション資料、製品・サービス説明のワンページ資料など営業活動をサポートするための「セールスコンテンツ」。これらはマーケティングコンテンツとは異なる役割を持っています。マーケティングコンテンツがより一般向けに広く認知を得る目的で作られているのに対し、セールスコンテンツは営業活動用に、ある程度製品・サービスに興味を既に示しているオーディエンスを対象に作られます。営業サポートのための資料であるが故に営業がイニシアチブをとるケースが多いのが実情なのですが、メッセージングのズレを回避したり、マーケティングプロセスの中で既にコミュニケーションした内容と被らないように調整するという意味でも、営業活動コンテンツであっても、マーケティングチームと協業することが重要です。

3.両チームで一貫したプロジェクト対応ができていない

営業とマーケティングの連携には一貫したコミュニケーションが重要で、同じ方向に向かってパフォーマンスを最大化するには以下のようにサイロ化したままではいけません。

  • ハンドオフしたリードが実際のビジネスにつながっているか、データ連携ができていない
  • 両チームの計画と戦略を理解しないままコンテンツやメッセージを作っている
  • 特定のキャンペーンにおける両チームの期待値が異なる

営業とマーケティングが連携したマーケティング活動を実現していくにはチーム間で相互に理解し合うことが必要です。

マーケティングと営業の足並みを揃える方法

SLAを策定する

マーケティングと営業のSLA、サービスレベルアグリーメントを設けることは
マーケティングがとってくるリードは質が低い、インサイドセールスにせっかくホットなリードを渡したのにフォローアップしてくれないなど、様々なすれ違いから大きな溝へ発展してしまうケースも多々あります。同じ目標に向かって効率的に働くバディーのような関係になるためにも、サービスレベルアグリーメント、SLAを定めることが大変重要です。

MQLやSQLにどんな定義をつけるのか、リードハンドオフしてから営業がコンタクトするまでの時間期限をどのくらいに設定するか、など細かいところまで決めることが大切です。

両チームのコミュニケーションを推し進める

営業とマーケティングが連携するには、両チームが相互理解を持って営業プロセスを包括的に理解する必要があります。SLAを設定することでこれは自然と進む部分もあると思いますが、営業とマーケティングの双方が営業プロセスを完全に説明できるようになっている状態を目指してコミュニケーションすることを意識しましょう。まずはチーム間のミーティングやブリーフィングを頻繁に行い、常に連絡を取り合うことから始めると良いでしょう。

期待値、データ、テクノロジーに一貫性を持たせる

営業とマーケティングの連携には、期待値、データ、テクノロジーの一貫性を促進し維持することが必要です。両チームが同じ最終目標を持ち、同じ情報を基に活動していることを常に確認する必要があります。

営業とマーケティングの間で定期的にキャッチアップを行い、全体としての目標や日々の業務について両チームが同じ考えを持ち、互いの期待値にズレが生じていないか常に確認しましょう。

さらに、営業とマーケティングがCRMなど上で同じデータにアクセスすることで、相互の取り組みを把握することも重要です。アクセスするデータに一貫性を持たせることで、マーケティングチームは自分たちの仕事が営業チームにどのような影響を与えているかを知った上で戦略を練ることができ、逆に営業チームは自分達の活動をマーケティングチームに知ってもらうことで有意義なフィードバックが可能になります。

コンテンツマーケティングに営業視点を取り入れる

ビジネス成長におけるコンテンツマーケティングの重要性が高まる一方、その取り組み方法には課題もあります。必要以上にコンテンツを量産し、そのほとんどが営業活動の役に立っていないというケースが散見されているのです。そうならないためには、既存顧客や見込み顧客の興味や関心を深く理解する必要があります。営業担当者の声も聴きながら、コンテンツの制作に取り組む必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。マーケティングと営業両方のパフォーマンスを最大化するには、両者が常に相手の立場に立ち、互いの課題や目標を理解した上で各々の施策が実施されていることを確認する必要があります。

まずはオープンでコラボレーションしやすい環境を整えましょう。マーケティングチームと営業チームが常にコミュニケーションを取り合い、互いに学び合うことでチーム間で一貫した戦略を持ちビジネス成長を支えることが可能になります。

Iku Hirosaki
Iku Hirosaki
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廣崎 依久
取締役 兼 COO | Board Member and Chief Operating Officer

株式会社マルケト(現アドビ株式会社)にてインターン終了後、渡米。シリコンバレーのEd Tech企業、Courseraにてフィールドマーケティング及びエンタープライズマーケティングオペレーションに従事。その後シンガポールに渡りDSPベンダーのMediaMathにてAPAC地域のフィールドマーケティング及びマーケティングオペレーションを担当。01GROWTHでは教育サービスの開発に加え、国内外のコンサルティング業務を行う。著書に「マーケティングオペレーション(MOps)の教科書 専門チームでマーケターの生産性を上げる米国発の新常識」(MarkeZine BOOKS)と、レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 部門間のデータ連携を図り収益を最大化する米国発の新常識(MarkeZine BOOKS)がある。

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