2018年にGoogleがAmplified Mobile Pages For Email (AMP for Email)を発表して早3年が過ぎました。今日はその詳細をご紹介します。
2018年にGoogleがAmplified Mobile Pages For Email (AMP for Email)を発表して早3年が過ぎました。発表当初はメールを革新させるテクノロジーだと大きな話題になったものの、様々な理由からまだ活用しているのは大企業の一部のみです。今日はAMPメールのメリットとデメリットと、実際の活用事例も合わせてご紹介したいとおもいます。
そもそもAMPメールとは
ご存知の通り、今までメールはテキストのみのテキストメールと、静的なHTMLメールの2種類でした。2015年、Googleはモバイルデバイス上のページロードスピードを加速するためのオープソーステクノロジーとしてAMPを発表しました。そして2018年、そのテクノロジーを使ったEメール、AMPメールを発表し2019年の春にロールアウトしました。
AMPメールは動的なメールで、ウェブサイトのような機能がメール上でできるのが特徴です。メールボックスを離れずにフォームの入力やタブの切り替え、商品の購入などインタラクティブな体験を実現することができます。従来のHTMLメールではリンクなどのクリックスルーが必要不可欠だったものが、メールボックス内でアクションを完結できるのは大きな利点で、エンゲージメントやコンバージョンの向上が大きく期待できる機能です。
また、AMPがサポートされているメールクライアントは以下3つのみです。日本はGmailとYahoo Mailのユーザー割合がアメリカなどに比べると多いため有利ですがビジネスユーザーの多いOutlookがサポートされていないことから、B2Bプレイヤーにとっては大きなマイナスポイントになるでしょう。
AMPメールはそもそも、マスEメールの配信履歴があり、スパムレポート率が低くなければ使うことができません。全てのガイドラインはこちらで確認できますが、今までの実績が少ない・悪い場合はある程度HTMLで経験を積んでからということになるでしょう。
AMPメールのハードルが高いことはわかりました。様々な投資が必要なこともあり一般的にはAMPはまだ普及していませんが、その可能性がとても大きいことは明らかです。以下に活用例を2つ挙げました。
OYO
インドの旅行予約サイト、OYOはメール画面でホテルのリコメンドを表示し、ランディングページに誘導することなくレビューやチェックイン/アウト時間などの情報を表示しました。これにより、クリックスルー率は57%向上、コンバージョン率は脅威の60%向上を実現しました。
Gsuite
下の動画はGoogle Docsのコメント返信をメールボックスの中からしている例です。Google DocsはAMPメールを使ったことでコメントの返信率が500%増加したというデータも出ています。
まとめ
AMPメールを取り入れるには様々な投資や環境を整えることが必要ですが、正しくその機能を使えば、Eメールマーケティングの可能性を何倍にも大きくする可能性を秘めています。今後サポートするESPやメールクライアントなどが増えればAMPメールの活用も増えてくるでしょう。今のうちからAMPを取り入れる計画や、準備を進めておくのも良いかもしれません。