昨今注目されているインテントデータの活用。サードパーティインテントデータを実際に運用した際の成功点と失敗点をご紹介いたします。
昨今注目されているインテントデータの活用。今までもファーストパーティインテントデータは自社のウェブサイト上で収集・分析することができていました。MAなどのツールがあれば、コンタクト情報獲得以前からのページ閲覧・コンテンツ消費履歴などをもとに興味関心事項を推測することができます。しかし、サードパーティインテントデータを活用することによりインテントデータの活用の幅や可能性は何倍にも広がります。インテントデータとは?という記事は見ますがなかなか実例まで言及した例はあまり見ないため、今回から2回に渡り以前にサードパーティインテントデータを実際に運用した際に気づいたことや成功点、失敗点をご紹介したいと思います。
インテントデータとはウェブユーザーの様々なコンテンツ消費行動から推測される興味関心に関するデータを指します。前述の通り、ファーストパーティインテントデータは自社のウェブサイト上で収集可能です。一方、サードパーティインテントデータは外部サイトでの閲覧情報や消費コンテンツの履歴のため、自社のウェブサイトにまだ辿り着いていない、もしくは読み取りきれない潜在顧客の広範囲な興味関心トピックやその度合いを把握することができます。
サードパーティーインテントデータプロバイダの代表格としてBomboraやINTENTDATA.IOなどが挙げられますが、インテントデータの収集方法はそれぞれ異なります。 Bomboraは全世界4000以上のパブリッシャーサイトが集まるData Co-opを保有しており、そこにダイレクトタグを埋め込むことで様々なB2B購買インテントデータを常時取集しています。一方、INTENTDATA.IOはBomboraのようなパブリッシャーネットワークは用いず、ウェブ上で一般公開されている情報をもとにリニアリグレッション分析を使ってコンタクトレベルまで掘り下げたインテントデータを提供しています。一方、未だにサードパーティクッキーやIPルックアップに頼っているブラックボックスソリューションも数多くあります。この種のベンダーのデータクオリティは大抵低く、加えて今後のサードパーティクッキー廃止を考えるとスマートなチョイスではないでしょう。
サードパーティインテントデータの活用方法は様々ですが、 個人的にその最大のメリットは潜在見込み顧客を早期に特定することで、カスタマージャーニーの初期からエンゲージメントができることだと思います。購買行動の大部分が企業にコンタクトを取る前に行われている今、せっかくリードジェネレーションに予算を注ぎ込んでリードを獲得し、ファーストパーティインテントデータを使ってエンゲージしても、その時点ではもう心は半分競合他社に決まっているなんてことも。見込み顧客がリサーチしている段階で対象を特定しその興味関心に気づき、マーケティングメッセージを発信できたら、その予算はもっと効率の良い使い方ができるようになるでしょう。どのターゲットアカウントに高い購買意欲があるのかわかることで、ターゲットリストの精査や拡大・縮小はもちろん、より良い費用対効果でリードを獲得し、カスタマージャーニーの初期段階からエンゲージすることで効率的に精度の高いマーケティングを実現することができるのです。
グローバル規模で精度の高いABMを目指し、Bomboraでインテントデータを取得→LinkedInで興味に沿った広告キャンペーンを打つことで効率的にリードを獲得し、それぞれのトピックのコンテンツを訴求するナーチャリングストリームでMQLへナーチャリングするキャンペーンを行いました。キャンペーン全体のキーKPIはターゲットリストの獲得リード数、LinkedIn広告キャンペーンのCV率、ナーチャリングストリームに乗せたリードのMQLへのCV率でした。
以下に運用開始までのステップと気づきを簡単に以下に挙げたいと思います。
一番苦労したのは「インテントあり」と評価する基準決めでした。営業の中には本命アカウントについては、ナーチャリングでMQLに達する前でも「インテントあり」のリードはすぐに渡してほしいという担当もいました。そのため「一個人の興味だった」場合や「見当違い」なんていうこともありました。その後、「インテントあり」の評価基準の調整を繰り返し、あるラインで落ち着きました。営業・SDRチームのフィードバックをもらい、自社に適切なトピックやトピック数、スコアを見つけるまでこのように少し時間がかかることを想定しておくと良いと思います。
成功点
失敗点
第二回はインテントデータを基に設計したナーチャリングストリームや、既存リード(リサイクルを含む)をインテントデータで再エンゲージしたキャンペーンの詳細をご紹介したいと思います。