今回は前回に引き続きMarketo Engageのチャネルの設計について解説していきたいと思います。チャネルの設計をしっかりと行えば、レベニューサイクル全体においてどのマーケティング施策が効果的だったのかを把握することができ、これまでもやもやしていた各
本記事はMarketo Engage(マルケト エンゲージ)のチャネルの活用について Part1の続きの記事となります。
今回は前回に引き続きMarketo Engageのチャネルの設計について解説していきたいと思います。チャネルの設計をしっかりと行えば、レベニューサイクル全体においてどのマーケティング施策が効果的だったのかを把握することができ、これまでもやもやしていた各チャネルの貢献度や効果が非常にクリアになると思います。
このチャネルの機能を利用する為にはしっかりと設計された測定計画が必要で、この整理ができていないとこの機能を使いこなすのは難しいでしょう。ある意味で、チャネルが設計できない=測定計画の設計できていない。ということになるのだと思います。
測定計画の立案において、重要な考え方があります。それは全てのマーケティング活動がレベニュー(売上)に関連しているということです。測定計画の立案はマーケティングからセールスに至る一連の活動を定義することから始まります。その一連の活動をMarketo Engageにインプットする機能が収益サイクルモデル(レベニューサイクルモデル)です。
Marketo Engageの測定機能は以下の図のような構成になっており、収益サイクルモデルを中心に細部のマーケティングキャンペーンまでドリルダウンをしながら分析できるようになっています。Marketo Engageの測定機能をしっかりと活用しようとなると、収益サイクルモデルの活用が非常に重要になることが理解できると思います。
マルケトのコア機能とも言えるこの収益サイクルモデルですが、設定自体は簡単ですが、測定ツールとしてしっかりと運用する為には大きくは以下の3つの要件を満たす必要があります。勿論この全てが満たされていない場合でも活用はできますが、効果測定を本格的に実施したい方は下記の要件を満たすことが必要とされます。
これらはつまり、組織としてしっかりとしたレベニューモデルがデザインされており、実際にそのモデルに沿った活動、また、MAだけでなく、SFA/CRMの活用もしっかりとなされていることが必要という事になります。まさにMarketo Engageの活用を推進するということはマーケティングとセールスのDX(デジタルトランスフォーメーション)のそのもので、進められないポイントというのが現状解決しなければならないポイントとも言い換えることができるかもしれません。収益サイクルモデルの設計についてはまた次回以降詳しく解説したいと思います。
収益サイクルモデルに沿って、自社で実行するマーケティングキャンペーンのカテゴリ、即ちチャネルをマッピングします。そして各チャネルがどの収益サイクルモデルのプロセスに働きかけ、リードをレベニューに向けて前進させるのかを明確にする必要があります。そして、リードが購買行動を前進させた。と認識できるポイントがプログラムのサクセス(成功)ということになります。収益サイクルモデルを活用せず、チャネルのみ活用するといった場合は、収益への貢献度やアトリビューションの分析は難しいと思いますが、マーケティングキャンペーン単体の効果測定であれば問題なく利用できます。
レベニューサイクルモデルと連携してチャネルが設計できていれば、そのチャネルがリードの獲得のみならず、ナーチャリングの過程でも商談の作成に貢献しているのか。またマルチタッチポイントに受注金額の貢献度を振り分けた場合のチャネルの効果など高度な分析が可能になります。Marketo Engageをご利用になられている場合は、ぜひ収益サイクルモデルと連動させたご活用を目指していただく事をお勧めします。
チャネルのマッピングが完了したら、続いてステータスの設計を行います。チャネルのステータスは各マーケティングキャンペーン内のプロセスと捉えて頂くと全体の収益サイクルモデルとの接続がしやすくなります。例えば、ウェビナーですと下図のようになります。
チャネル内のプロセスをWHO/WHAT/WHENに分けて、各プロセスで実行する内容を決めていきます。このWHOがスマートキャンペーン内のスマートリスト、WHATがフロー、WHENがスケジュールまたはトリガーという事になります。Marketo Engageのプログラムテンプレート内のスマートキャンペーンはプログラムステータス毎に作成されているものが多いと思いますが、こういう設計図がイメージされている為です。
本記事の最後にタグの機能をお話します。タグはこのチャネルのカテゴリをさらにレポートビューで細分化するために利用されます。例えば、ナーチャリングの一環でウェビナーを実施しているとします。ウェビナーはターゲット毎にテーマがあると思います。そのテーマが”デジタルマーケティング”だった場合はプログラムのセットアップタブから”デジタルマーケティング”のタグを設定しておきます。そうすることで、”デジタルマーケティング”のテーマで実施したプログラムのサクセス(成功)数やウェビナーチャネル内のデジタルマーケティングのテーマかまたはその他のテーマどちらで成功確率が高いのか?こういった事を分析することができます。タグは複数のタグを1つのプログラムに設定できるので、”デジタルマーケティング”X”ウェブサイト最適化”のような掛け合わせの絞り込みや分析でもできるようになります。その他には担当者毎にタグを作成して、担当者毎のパフォーマンスを計測したりする際にも活用されます。
タグをしっかりと活用する為には、セグメンテーション、ターゲットのようなマーケティング戦略がしっかりとしている必要があります。タグの種類が整理できないということは自社のターゲットが明確になっていないと言えるかもしれません。
次回は収益サイクルモデルの設計についても触れていきたいと思います。